漢字勉強会

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 2月15日(日)、荒川区生涯学習センターで、本年度最後の漢字勉強会を行いました。講師は創玄書道会の佐伯覚明先生で、テーマは近代詩文書でした。近代詩文書の勉強会というのは、恐らく清和書道会60年の歴史で最初のことと思われます。

 最初に佐伯先生から資料が配られ、近代詩文書の基本的考え方についての講義がありました。配られた資料の中に、創玄の創始者の金子鴎亭先生の書の創作要訣20章というのがありました。要約すると
1)  書は創作が命である。
2)  近代詩文書の研究者は自作の言葉、俳句、短歌、詩を研究     すること。
3)  大作の前に草稿を作り、数種類の表現を研究すること。
4) 書き始めに佳作を得ることが多い。書いているうちに感興が薄   れ駄作となることが多い。
5)  いくつも書いて、最後に良いものを選ぶ。最後の作品が最高と  は限らない。
6) 肘で書くこと。筆の進む方向に筆の軸端を少し傾けること。高所   から落筆し、高所に筆を抜く。
7) 淡墨の時は厚手の紙、濃墨の時は薄手の紙。本画箋が墨色    が美しく出る。
8) 筆は数種の筆屋から入手し、長鋒と短鋒、剛毛と柔毛の研究を   すること。
9) ひらかなを直線で書けるように工夫すること。
10) 立って書く、立膝で書く、腰をおろして書く、立って机の上で書   くなどの姿勢になれること。
11) リズム感のない作品は魅力が無い。
12) 空白の美を忘れないこと。
13) 作品に山場を作ること。全体にアクセントをつける。
14) 渇筆を生かす。「墨を惜しむこと金のごとくすべし」
15) 時間を短くして毎日筆を取る。同じ条件での繰り返しはマンネ    リになる。
16) 自己の作品の良否を判別すること。壁に貼って離れてみる。
   字形よりも生命感。
17) 室内で見ると良くても、大会場では淋しく見える。立体的運腕   で強いリズムに乗って書く。
18) 古典を臨書、倣書し、創作に生かす。木簡は現代書創作の宝   庫である。
19) 展覧会見学の時には表装形式や色彩に注意して、自分で表   装の指定が出来るようにすること。
20) 書は線の芸術。技法は手段。自己修養に努めること。

 金子先生が主導された近代詩文書が、展覧会を意識した壁面芸術であったことが良く分かります。かな作品にも通ずるところが多々あり、展覧会向けの作品制作に当たって、大いに参考になると思います。

(揮毫中の佐伯先生)

(作品の解説をされる佐伯先生)

(制作に余念の無い楢原先生)