法人せいわ総会

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 6月15日(日)の午後3時から、日暮里駅前のホテルラングウッドで、法人せいわの総会を行ないました。

 出席者は62名で、平成19年度の事業報告の後、平成19年度の決算報告、平成20年度の事業計画が審議され、了承されました。平成19年度は第60回記念清和書展にだいぶお金を使ったため、100万円強の赤字になってしまいましたが、平成20年度は平常に戻ります。

 今年度は代議員も事務局員も交代は無く、前年と同様のメンバーで臨みます。

 総会終了後、墨運堂の久保田征夫氏の墨についての講演がありました。判り易いと好評で、配られた資料は会に出席しなかった人からも引っ張りだこでした。講演の要旨は以下の通りです。

☆ 墨の原料は、煤と膠と香料。
☆ 煤は赤松を燃やして採る松煙と燈油を燃やして採る油煙。
  大正時代以後、工業煙=カーボンブラックが出てきた。
☆ 煤の粒子が10〜20μだと赤みを帯びる。
  200〜400μだと青墨。
☆ 膠は動物性のゼラチン。蛋白質なので腐りやすい。
☆ 伸びのある墨と無い墨は膠の差。5〜6種の膠を混ぜて使っている。
☆ 水温18℃以下だと膠がゲル化して墨色が出ない。水温は20℃以上ですって欲しい。
☆ 作りたての墨は、ひびが入らないように膠を多めに使用しているため粘って使い難い。時間が経つと膠が加水分解して水と炭酸ガスになり、使いやすくなる。墨が枯れる。
☆ 固形墨は粒子の大きさがばらつくが、液体墨では粒子の大きさが揃っていて、平板に見え深みが出ない。
☆ 中国の水は硬水で、磨った時煤が分散し難いので、製造工程で分散しやすいように生墨の時ハンマーで叩いて膠の力を弱める。従って和墨より硬い。また膠と煤の比率が1対1で和墨より膠が多い。
☆ 日本 T丁型=15グラム。2丁型=30グラム。
  中国 1丁型=600グラム、2丁型=300グラム。
☆ 水道水は沸かすと塩素が飛散するから、生の水より相応しい。
☆ 磨った墨は冷蔵庫に保管しても、2〜3日が限度。
☆ 液体墨は粒子の大きさが揃っているが、固形墨は粒子の大きさが分散しているので、墨色に深みが出る。液体墨に水を加えてトロトロになるまで磨り、水を加えると墨色は改善される。
☆ 固形墨は製造してから3〜5年が使い頃である。
☆ 保存は通気性のある桐箱などに入れておくのが良い。桐箱が無い場合は新聞紙に包んで冷暗所に保管する。
☆ 濡れ雑巾などにくるむと、加水分解が早く進んでボロボロになるから気をつけること。
☆ 墨液の寿命は、膠を使用した物で2年、合成糊剤を使用した物で5年。
☆ 固形墨も液体墨も漢字用は粒子が粗く膠の量が少ないので黒く書ける。墨痕淋漓。 かな用は粒子が細かく膠の量が多いので、伸びが良く深みのある色になる。

(議事を進める議長)

(出席者)

(講演する久保田氏)