麒麟抄


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「楷書を書くときは筆を真直ぐに持ち、手首を折り、筆の軸頭が自分の額の前に来るようにする。硯に良く磨った墨汁をたっぷり含ませて書く事」

「行書の場合は、筆軸を親指の腹でおして、手を少し平らにして薬指の中節に当てる事。筆の先が左目の前に来るようにし、筆をゆるく持ってゆっくりと書く。」

「草書体はおおよそ行書体の字をもととし、楷書体の字の面影は忘れる。秋の草が風に吹かれて揺れているように書くべきである。」

「手習いに際しての悪い病を捨てる事。一、寒(スクム) 二、蹇(ナエル) 三、浮いている姿 四、雑な字を交える事 五、早々(ソソクサ)の筆遣い 六、肉が付き過ぎて肥えた形 七、五形の具わらない字 八、私曲を好み異様な字を書くこと 九、かすれた字を書くこと 十、立ちすぼんだ字を書くこと 」

「筆の軸の寸法は、楷書用は四寸五分、行書用は五寸、草書用は五寸五分が良い。」

「机の高さは八寸、幅二尺五寸、奥行一尺二寸。初心者と子供は畳の上で習わせる」