才葉抄


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『才葉抄』

「楷書は一番大切である。中国人は必ずこれを習う。」

「手本を習うには、先ず手本の筆遣いを理解すべきである。手本の考えていることを理解しないで、筆に任せて習っていると、手本を見ているときは良いが、応用がきかない。」

「書を習うとき、手本にも似ており自分でも良く書けると思って、手本を捨て自己流に書いていると、自然に悪い書法が身に付いてしまう。本当に初心者の間はよくよく気をつけなければいけない。」

「書を習うには、手本の筆遣いや考え方を理解しないでただ学び、又習得した文字だけを記憶したのでは、習わない字は書けないことになる。大きな要領さえつかめば自然と似てくるものだ。手本の考え方を知ることは、初心のうちは難しいので先生に教えてもらうべきである。」

「手本を多くみるべきである。自分が習っている書風と違ったものでも決してそしってはいけない。どんな手跡も皆面白いものだ。捨てるところを知っていればよい。」

「手本は沢山持つのがよい。自分の好みの書風ではないからと思ってはいけない。一寸見て良く書いてあるものなら、それは面白い良いものだ。」